この記事では、「日本の育児休暇取得率が低い理由」と「育休制度」について記載しています
結論 【育児休業を取得しない理由】
育休を取らない原因は【仕事(収入)】面での不安が大きなウエイトを占める。
出産・育児を目的として休暇・休業を利用しなかった理由 ベスト3
1位 会社で育児休業制度が整備されていなかったから 男性23.4%
2位 収入を減らしたくなかったから 男性22.6%
3位 わからない 男性22.2%
この回答からも分かるように、そもそも育休の取得率の伸び悩みは男性では「仕事>育児」の構図が原因にあると思われる。
しかし、問題は3位の「わからない」という理由です。特に理由もなく22%、5人に1人が利用していないということが日本が育児取得率が伸びない大きな理由と考えられます。
育児休暇の制度への理解を深めると共に、育休を取る意義について今後情報を提供していきたいと思います。
「男性・正社員」の出産・育児を目的として休暇・休業制度を利用しなかった理由をみると、「会社で 育児休業制度が整備されていなかったから」、「収入を減らしたくなかったから」、「職場が育児休業制度 を取得しづらい雰囲気だったから」が多くなっている。
この回答からも分かるように、そもそも育休の取得率の伸び悩みは男性の仕事と育児を天秤にかけて「仕事>育児」となっている構図が原因にあると思われる。
仕事と育児(家族)という尽きることのないジレンマが立ちはだかっています。過去10年の育児休業取得率(2019年〜2009年)
【日本は育休制度は世界一の充実】
日本は世界的に見ても非常に手厚い男性育休制度
収入を減らしたくなかったから (男性22.6% 女性16.7%)という理由は本当にそうなのか、、、
日本の場合、育児休業期間が延びた期間も、育児休業給付金がもらえます。
給付金の割合は、育休を始めてから180日(半年間)までが育休前の給料の水準の67%、それ以降は50%です。
育休給付金(育児休業給付金)とは、育休を取っている期間中、雇用保険からもらえる給付金のことです。育休中は会社から給料が支給されない場合がほとんどですが、育休給付金を受給できれば安心して子育てに専念できます。
一般的に、育休中には給料は出ません。しかし、育休期間中は健康保険・厚生年金保険の保険料が免除になりますので、給付金から天引きされることはありません。その為、実質的な手取り額は大きく変わりません。
※もし休業期間中もそれまでの8割以上の賃金が出ていれば、育児休業給付金は支給されないことになっています。時短勤務などで月10日以上かつ、月80時間以上働いている場合も、支給の対象外になります。
日本の育休取得可能期間
日本の育休取得可能期間は、原則として子どもが満1歳になるまでとなっており、保育園に入園できないなどやむをえない事情に限り、半年ごと、最長2歳まで延長が可能です。
※1歳半でも保育園に入れなければ育休が延長できる
2歳までという育児休業期間の延長は、無条件に利用できるわけではなく、「雇用の継続のために特に必要と認められる場合」とされています。具体的には、以下のどちらかの状況です。
●保育所など(認定子ども園、家庭的保育事業も含む)を希望しているが、入所のめどが立っていない●配偶者が主に子育てを行う予定だったが、病気や離婚のためできなくなった
2019年に発表されたユニセフの「子育て支援に関する報告書」によれば、「有償の産休・育休取得可能週数」において、日本は30週と、取得可能週数で見れば世界第1位。2位の韓国(17週)、3位のポルトガル(12週)を大きく引き離しています。
こうして見てみるとかなり手厚い補償がされていることがわかります。
まとめ
日本の育休制度は【期間】・【補償(給付金)】共に世界最高水準となっている。
【参照】
・小室淑恵、天野妙『男性の育休』(PHP新書)
・厚生労働省「男性の育児休業取得促進等に 関する参考資料集」
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